spring breakers forerever..
bitches forever..
and zombies forever.. forever.. forever..
なんてね。
大久保の夜はドブネズミが徘徊する。
暗くて汚い路地には酔っぱらいとゲロ。
コンビニにたむろするコリアンの若いやつらはネオンのようなまぶしいオーラを放っている。
アースダムで開催されていたハードコアの祭典に遊びに行った帰り。相棒と歩いていたら、駅前で痩身で小柄な中年サラリーマンが話しかけてきた。working dead。
相棒の古い友人らしく「飲みに行こう」と誘われたが終電も近かったので断った。
導師スプリンターというにはあまりもくたびれていて、異様に冴えないヨレヨレのスーツ姿と曇ったメガネと、鼻にかかった奥行きのある声が強烈で、正直言うと不気味な印象しかなかったな。真黒毛ぼっくすの大槻さんのことね。
導師スプリンターというにはあまりもくたびれていて、異様に冴えないヨレヨレのスーツ姿と曇ったメガネと、鼻にかかった奥行きのある声が強烈で、正直言うと不気味な印象しかなかったな。真黒毛ぼっくすの大槻さんのことね。
もうだいぶ昔のことだ。
2011年の11月8日だったかな?当時くほんぶつをやってた内田るんと真黒毛ぼっくすを招いて3マンのをGIGを開いたんだよ。
大槻さんは要するにただのダメ人間だ。めちゃくちゃ胡散臭いしゃべり方の小さい老いぼれはいつだって泥酔してる。そんな人がステージでは死ぬほどカッコよく見えるわけだからロックンロールっていうのは不思議なモノで。
マスな価値観を一瞬にして吹き飛ばす、まるで無自覚なクロスカウンター。
ビッグバンドが鳴らすリズムとソウルに導かれ、ふらつく足取りで地面スレスレでステップを踏む最高にイケてる負け犬のショーケース。
彼のステージにおける長いキャリアをまるで感じさせないナスティーっぷりがオレは大好きで、まさにzombie is fresh!ってやつなのかな。
真黒毛ぼっくすのライブ終盤、くほんぶつのピートタウンゼントを大槻さんの合図で即興でカバー演奏されるステージに上がってみんなで踊った。
その夜、オレは世界を手に入れたような興奮を感じたよ。自分たちで作ったパーティーで生み出した熱狂。この街で最も熱く燃えていたのはオレたちだったさ。
歴史には当然のように残らない一夜。あそこに一体何人の人間がいただろうか。yo bro、それはこの街のアンダーグラウンドが吐き出す強烈な光を放つゴマンとあるゴミみたいなもんの一つだぜ。
あれから3年。時代は変わったかな?
オレとFUCKERは腕組みをしてる。
ゾンビのようなクラウドたちが暴れるこの街で、うんざりするほどたくさんの昼と死ぬどたくさんの夜が過ぎた。VOGOSのクロカワの口から出てきたスカスカで軽い「never give up」が何となくいまのオレの気分をとらえてる。
こないだはステージからレオウくんの長い足がモッシュの波に飲み込まれていくのが見えて、面白くて笑ったよ。
しかしなんて熱いクラウドだろう。こんなヤツらほかの街にはいないだろうし、あいつらのつまんねーパーティーにもいない。
お前らが支持するバンドやシーンを守りたいならその熱狂をオレらに見せてみろよって話な。お前らが静かにそれを見守って、2chでは陰湿なdisを書き込んでるうちに、オレらはヘラヘラ笑ってデカい声で悪口をみんなに聞こえるようにしゃべるのさ。hahahahaha。
オレとFUCKERは腕組みをしてる。オレたちはともに真黒毛ぼっくすのファンだ。
ハイプは一瞬だけでかい花火を打ち上げて消える。それはそれで美しいのかもしれないな。
ただそれがなくちゃ生きていけないヤツらもいる。そいつらはとんでもなくクレイジーで飽くことを知らないヤツらだ。そいつらを死においやるのはきっと退屈だけだろうね。
そして真黒毛ぼっくすはyoung bloodたちを相手に、また夜をひっくり返すだろうか。
東京のオルタナはトレンドを気取るクソどもの白い目を無視して今夜もバカみたいにイケてる酔いどれのダンスをキメるのさ。
zombie is me.. zombie is me.. zombie is me..
zombie is me.. zombie is me.. zombie is me..
zombie is me.. zombie is me.. zombie is me..
(あとがき)
谷さんにzombie is me!!!!!!!!!!!!!のための告知文をグッドマンのHPに掲載してもらうので書いてくれ、と依頼されてこの文章を書いたのだが、長くなり過ぎてしまったのと内容があまりにも偏ってしまったのでscumparkに掲載することにした。真黒毛ぼっくすについてまとまって書かれた、ネットでは数少ない文献じゃないかなと思う。
そもそも11月15日にニーハオ!とドラびでおの合体ユニット”ニーハオ!!ドラびでお!!”のライブをやるので対バンにハバナイを誘ってもらったのだが、結局その日のブッキングなどを一緒にやらせてもらった。
最近気になっているVOGOS、BELLRING少女ハートの若き強力な2チームに加えて、真黒毛ぼっくすを呼べたのは本当に良かったなあと思う。きっと二度とこのブッキングはないだろう。
※ちなみに真黒毛ぼっくすははるか昔にイカテンにも出ている。オリジナルメンバーはもう大槻さんだけだろうが、とにかく活動期間の長いバンドだ。
個人的には大槻さんの作る唄に心を揺さぶられたことは一度もない。才気ほとばしるレトリックやマーヴェラスなメロディーみたいなものは真黒毛ぼっくすにはないと思っている。だがオレが見た彼のステージで放っているエネルギーはホンモノで、彼のビジュアルも相まってただただ衝撃だった。あの当時、ステージを観てこいつは凄いぞと思わせてくれたのは大槻さん以外には発信の高橋さんとラブ人間の金田くんだけだったと思う。
まあそれも全て昔の話だ。いま改めて同じことを思うかは分からないがとにかくまた同じステージに立てるのは本当に楽しみだね。
最後になったがzombie is me!!!!!!!!!!!!!の出演を承諾してくれたVOGOS、BELLRING少女ハート、真黒毛ぼっくすの皆様、僕の好き勝手を許してくれる谷さんゆかりさん、記してあつくお礼を申し述べる。完
なんてね。
なんてね。